こんにちは。清藤士塾の渡辺です。
以前、価格経済学P≠MCという論文をアップしました。この論文は、はるか昔、僕が経済学の修行に勤しんでいたころに歯を食いしばって書き上げた作品です。僕は、経済学という鬼門がミクロ経済学とマクロ経済学に分類されており、それらが相反する法則で成り立っていることに気づいたことがポイントです。
例えば、収益と費用という点から見れば、一般的なミクロ経済学は生産量xと価格pを掛けた式であらわされるのですが。よく考えてみると、売上なければお金は財布に入ってこず、売上数量と価格の掛けた売上高でなければ、そこは異世界の市場か他の惑星の市場かということです。つまり、次の式が妥当といえるはずです。
収益pAx-費用xMC=利益π
ここで、利益πをゼロと置けば、次のようになります。
pAx – xMC = 0
p = 価格、Ax = 売上数量、x = 生産量、MC = 限界費用
p = xMC / Ax
つまり、現実的にスーパーのレジおばさんと社長のおじさんが奮闘しているのはpAx=xMCという式が扱っている商品だといえるのです。
この式を参考に現実の経済原理を考えてみると・・・。
売れて売上数量Axが増えると、価格pが下がる
売れないと売上数量Axが減って、価格pが上がる
つまり、売れると価格を上げるのでなく、売れると価格を下げるといいことが分かります。世界の市場は天変地異によりコペルニクス的転換を成し遂げたことでしょう。
ここまでは、僕の書いたこの前の論文を見てもらえばわかるのですが、さらに貨幣数量説というトリックカードを提示したいと思います。
これは、マクロ経済学のIS-LM曲線で用いられる式なのですが、具体的には、MV=PTという式になります。ここで、話は盛大に脱線して電車が空を飛び始めますが、pAx=xMCであれ、MV=PTであれ、変数は4つの数式が収まりがよくて、僕の小さなズボンのポケットにも収まりそうです。
学問の世界には、いろいろな定理式がありますが、4つの変数というのはイイ感じですね。3つの変数だと、じゃんけんの様になって、ぐるぐる循環した関係になりそうですが、4つの変数だと、例えば、二つの変数の数値が増加すれば、他の二つの変数の数値が減少するというように、それぞれの変数の関係性が少し複雑になります。
とはいえ、変数が4つなので、あまりにも複雑になり過ぎず、程よくシンプルでまとまりがよさそうに見えます。恋愛であっても、男女どちらかが一人で残り二人の異性が取り合う三角関係より男女二人ずつの四角関係の方が物語に奥行きが出そうです。
まあ、それはイイとして、話は戻りますが、pAx=xMCとMV=PTには明確な類似性が見られます。まず、価格のpと物価のP、売上数量のAxと実質GDPのT、生産量のxと貨幣供給量のM、限界費用のMCと貨幣流通速度のVです。
ここで、限界費用のMCと貨幣流通速度のVが謎な関係性です。えっ!?いつから二人友達なん?という衝撃です。このVがマクロ経済学で言うところの費用の根幹といえるのは面白い事実であり、よく考えてみると、信用乗数と関係がありそうです。ヒロイン:「本当に信用してもいいよね・・・?裏切ったら暴走するよ?」
この信用乗数には次の式があります。マネーストックM3=マネタリーベース x 信用乗数。
ここで、マネーストックはMV=PTの貨幣供給量Mに相当します。僕は、誰か貨幣供給としてヘリコプターから大量の万札をばらまいてくれれば、必死の形相でかき集めることを約束します。ヘリコプターマネーはいわば心理戦ですね。
つまり、マネーストックM=マネタリーベース x 信用乗数、となって、信用乗数が貨幣の流通速度と関係がありそうなので、両辺を信用乗数で割ってみると、次の事実が分かります。
(マネーストックM) x (1/信用乗数) = マネタリーベース
V=1/信用乗数、とおくと、
マネタリーベース=MV
となります。僕は、この事実に気づいたとき、隕石が頭上に落下してくるのではないかと未熟な頭で必死に考えてみました。そう、これは物理法則に匹敵するのです。なんとまあ!!
さらに、本来であれば、pAX=xMCという価格式は、ミクロ経済学の需給理論の変形式なので、生産量x=売上数量Ax=1であれば、p=MCという均衡式になることが分かります。貨幣数量式でx=Axに当たるのは、通貨供給量M=実質総生産Tなので、貨幣流通速度V=物価Pが導出されます。
つまり、V=1/信用乗数、なので、(物価) x (信用乗数) = 1となり、最も効率的な経済は理論上、x=Ax=1つまり生産した全てを売り上げた、通貨供給量:M=実質GDP:T、ということになるんです。あっぱれ!!さらに、物価P = (マネタリーベース) / (マネーストック)、となります。インフレを抑制するためには、マネタリーベースを引き下げるか、マネーストックを引き上げる。あるいは、インフレを促進するためには、マネタリーベースを引き上げるか、マネーストックを引き下げる、という現実的な問題が見えてきます。
いやー、僕も千里眼みたいに、地平線の更なる先に何があるか見越して感動の渦に巻き込まれてみたいものですよ。と、自分の発見に酔いしれているドランカーが一人横たわってますよ。返事をしても応答がない!?ただの酔っぱらった屍のようだ。
今日の学習はここまで・・・。ご視聴ありがとうございます。by NabeNeko. ではでは。