ナベノミクスと三本の矢?最低賃金引き上げ!消費増税!内部留保活用! Nabenomics and the three arrows? Raise the minimum wage! Consumption tax increase! Utilize internal reserves!

 ブログ主の渡辺です。日本では2019年10月に消費増税を控えて、反対される政治家も多数いるようです。しかし、消費増税は一つの政策ではなく、二つの政策がセットになったものです。最低賃金の引き上げとともに、消費増税の可能性を探っていきます。

目次

  • 経済成長のために国債乱発は禁じ手!本当に市場をコントロールできる?
  • 失敗のファーストペンギンになるな!消費税率は先進国より遥か下!?
  • 消費増税は逆進性により貧困層にダメージを与える!最賃引き上げで緩和
  • ナベノミクスの三本の矢とは?最賃引き上げ!消費増税!内部留保活用!

経済成長のために国債乱発は禁じ手!本当に市場をコントロールできる?

 消費増税というと経済成長に有害だから即刻止めるべきだ、と声高に反対される政治家がおられます。このような政治家の中には、消費税自体の廃止、つまり消費税率0%を目指すと宣言される方もおり、世論は大きく揺れています。

<関連記事>

 このようなポピュリスト的な政治家、つまり耳障りの良い主張をして大衆を扇動する政治家は、消費税廃止の財源として無責任な方法を持ち出します。いわゆる、その財源としての国債発行もその一つです。

 国債発行により減税して経済成長を促進すべきだ。そうすれば、自ずと政府の歳入(税金による政府の収入)が増えるといいます。このこと自体は一理あります。おそらく経済成長さえしてしまえば、極端に言えば財政赤字の問題も年金の問題も社会保障の問題も解消してしまうはずだからです。

 しかし、だからといって消費増税より国債を乱発するのは得策とは言えません。最近では、MMTという現代貨幣理論が議論の対象とされていました。MMTの提唱者は、国債の発行によって財政政策(道路や公共施設を作るのが典型)を推進し、需要(モノを買いたいということ)を創出することで、経済成長を目指します。

 しかし、僕はMMTの理論について、そんなに詳しくないですが、このように国債を乱発すると、ハイパーインフレが起こる可能性があります。もちろんそうならないための方法も提唱しているのですが、本当にハイパーインフレを起こさないように市場を操作できるのか、なんて議論が交わされているようです。

失敗のファーストペンギンになるな!消費税率は先進国より遥か下!?

 さて、消費増税は財政赤字を解消する、つまり国の借金を緩和するために行われるということでした。しかし、条件次第では、国の借金を無かったことにできるから、上で述べたようなハイパーインフレによる財政破たん(日本国の倒産)は起きないという理論もあり、国債の乱発に刺激される人々も多いのが現状です。

 しかし、僕は一人の日本国民として、このような国債の乱発は、つまり借金の乱発は、無責任であると思います。おそらくMMTの提唱者であれ、国の借金をチャラにできると主張する学者であれ、彼らは国債の乱発を実行したときに本当に日本がどうなるのかを鮮明にイメージできていないはずです。

 この想像力の欠如はポピュリスト政治家が耳障りの良い主張をして支持を集める方法と同じで、その主張には裏付けとなるものが示されていないのです。僕は聞きたいです。もし、あなたたちポピュリストの政策を実行したとして、大失敗に陥ったとき責任を取れるのですか、と。

 確かに財政破たん自体はこれまでの歴史の中で何度も起こったことです。そのたびに、財政破たんを乗り越えて再び成長している国もあるのです。しかし、財政破たんした場合に、日本中の企業が連鎖倒産して、円という通貨の信用もなくなり、国際金融市場からも爪はじきにされ、それだけならまだ生きていられますが、食料を輸入できなくなり、という大混乱が起こることも想像に難くないです。

 日本の借金自体、すでに将棋でいうところの詰みの状態であり、いずれは財政破たんは避けて通れないという主張もあるでしょう。しかし、財政的に苦しい国は日本だけでなく、世界中に存在します。その現実にも関わらず、日本が失敗のファーストペンギンになる必要はないはずです。

 例えば、日本は消費税が10%になりますが、他の欧米先進国は消費税率20%くらいが当たり前です。そして、日本でも20%くらい消費税率を上げれば、借金の問題は心配しなくて済むようになるという意見もあります。

 つまり、日本は世界的に最悪レベルの財政状況ではありますが、先進国の中ではまだまだ恵まれているといえるのです。「消費税率20%なんて考えられない。今でも財布がカツカツなんだ」との叫びも聞こえてきそうです。しかし、少し待てば、ハイパーインフレなどの失敗もせずに借金を解消する特効薬が見つかる可能性もあるといえます。だから、国債を乱発して切り抜けようなどと、急ぎすぎる必要はないのです。あくまで可能性の話ですが。

消費増税は逆進性により貧困層にダメージを与える!最賃引き上げで緩和

 さて、ここから本題です。この消費増税ですが、非常に世間のイメージが悪いのは、消費増税を単体の政策として捉えているためではないでしょうか。しかし、現在、政府が推進しているのは消費増税だけでなく、最低賃金の引き上げもセットであります。

 消費増税は逆進性という性質を持ちます。つまり、所得の低い人ほど多くの負担を強いられる税金であるといえます。消費税の逆進性を数値例でみてみましょう。今、1000万円の年収の人と、400万円の年収の人がいます。ここで、消費税が10%だとします。1000万円の人は50%の500万円を消費に使い、400万円の人は75%の300万円を消費に使います。

 ここで1000万円の人は消費50%の消費税10%が税金として取られますので、1000万円のうちの5%を消費税として負担することになります。つまり、50万円ですね。一方、400万円の人は消費75%の消費税10%が税金となりますので、400万円のうち7.5%が税金となります。つまり、30万円です。

 両者は払った税金の絶対額で比べてみると1000万円の人が多いのは明らかです。しかし、%表示で見た場合では7.5%引く5%で、400万円の人の方が2.5%多く消費税を支払っていることになります。この不思議な現象を経済学では逆進性といいます。

 では、どうすれば所得の低い人の負担を減らせるか。ここで重要となるのが、最低賃金の引上げです。最低賃金の引き上げで、最も恩恵を受けるのはどの層かといえば、最低賃金ぎりぎりで働いている低所得層です。そして、また、このような低所得層こそ消費税の逆進性の影響を受ける人々であるといえます。

 この消費増税と最低賃金引き上げはセットの政策であるといえます。最低賃金引き上げで収入が増えて、消費増税で使えるお金が減る。プラスマイナス0ではないのか、と読者の皆様は考えるでしょう。しかし、この政策により財政赤字を減らして、国の借金を解消するのが、政府の最大の目的だと僕は考えています。

 最低賃金が上がれば、物を作る費用も上がるので物価も上がり、国の経済規模というのは賃金の大きさなので、経済も成長します。しかし、上で述べたように、二つの政策は、消費者にとってプラスマイナス0で買えるものが増えるでもない、何の利益も得られない政策とも言えます。

 つまり、よくニュースでGDP(国内で新たに加わった価値の総額)が話題になりますが、あの数字自体には何の意味もありません。結局、消費者である私たちにとって一番大事なことは、より多くのものが買える、つまり購買力の有無なのです。そこで、政府には僕たちの購買力が増える政策を推進してほしいですね。

ナベノミクスの三本の矢とは?最賃引き上げ!消費増税!内部留保活用!

 さて、当記事のタイトルには三本の矢という記述が含まれています。この記述については、アベノミクスの三本の矢ではなく、渡辺によるナベノミクスの三本の矢ということです。

 この三本の矢は、消費増税と最低賃金引上げに加えて、内部留保の活用が挙げられます。内部留保の活用は当ブログでも最近取り上げている渡辺のアイデアです。企業の内部留保や、民間銀行から中央銀行への預金積み立て、などの消費にも投資にも回らない現金を有効活用することで、消費増税後の経済の落ち込み緩和、さらには今後の経済成長の起爆剤となることが期待されます。

 この企業の内部留保の増加という傾向は世界的な潮流なので、内部留保の活用は、世界中で活用できる経済政策といえます。要点は、企業の内部留保に関わらず、とにかく消費にも投資にも回っていない現金を見つけて、市場に供給するということでした。

 そして、消費増税と最低賃金引上げ、さらに内部留保の活用を3つ合わせてナベノミクスの三本の矢と勝手に命名したのです。内部留保の活用に関しては、当記事の関連記事でも言及されているので、興味がある読者の皆様はそちらを参照してください。

Design a site like this with WordPress.com
Get started